アタリショック

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

レトロゲームが好きな人なら、一度は聞いたことがある言葉でしょう。
FCが発売される前に、アメリカ市場を席巻していたATARIが崩壊した現象を指します。
その後、アメリカ市場はNESによって再建されることになりますが、質の低いものを乱発することによってメーカーの信頼だけではなく市場まで壊してしまうことになったのです。
これは市場原理という面からも、大変注目されることの一つになっています。

ATARIは当時敵なしだったことは間違いありません。
しかし、あまりに市場が成長し、そこに様々な会社がソフト販売として参入することとなったのです。
当然、何の知識もなく参入するのですから、粗雑なゲームが大量にあふれるようになり、市場で食い合いを始めました。
カニバリズムともいえますが、巨大だと思った市場を煩雑なもので食い荒らし、結果的にユーザーが離れてしまうことにつながるのです。
もちろん、大量に投入されたソフトは過剰供給となり、叩き売ろうとしても売れなくなってしまいます。
それも、1982年のクリスマスに直撃し、不良在庫となってしまったことで、1/6にまで価格を下げても売れなくなってしまったのです。

この時には、ゲームメーカーの倒産も相次いでしまい、返品もできなくなってしまっていました。
その結果、市場は完全に崩壊し、低品質なゲームをくそげーなどと呼ぶ風潮も出来上がったのです。

この時に発売されていたソフトの一つにE.T.がありました。
あまりに低品質で、アタリショックの代名詞とも呼ばれ、ほとんど売れることのなかった在庫は穴に埋められて処分されたとも言われているのです。
こんなことは都市伝説だといわれていたのですが、2014年4月にニューメキシコ州のごみ処理場で発見され、数百個発掘されています。
それぐらい、どうにもすることができなかったことが見て取れる事象なのです。

私はやったことはありませんが、当時はもうPCに触り始めていたころで、アメリカで大騒ぎになっているという話だけは後から知りました。
ATARIは持っていませんでしたし、周囲でも誰も使っていなかったので、その程度だったわけですが、廉価なPCの存在もアタリショックの背景の一つだったのは間違いないでしょう。
ですが、その結果、多くのクリエイターを生み出すことにもなりましたし、PCの浸透も早まったことは間違いありません。
こういったことが起きないように、現在ではメーカーの審査を受けて販売されているようになったともいえるでしょう。
それも、自由な市場を阻害しているといえば間違いでもありませんが、市場を守ることはユーザーの利権を守ることでもあるのですから、無視することもできないことなのです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。