ダンジョンの中には恐怖がある

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RPGはいろいろとあるものの、ダンジョンを潜り抜けていくというのは、未知の恐怖があるものです。
今の世代には、こうした恐怖感というのも少ないかもしれませんが、それは想像力の欠如という部分ともいえるでしょう。
何か与えられるのではなく、最小限の情報から楽しみを見つけていくというのは、本来のゲームの楽しみだったはずです。
その点において、Wizardryは最高の環境であったことは間違いありません。

つい先日、とある実況を見ていて、ダンジョンRPGでおすすめはという話がありました。
さまざまなゲームを出していきますが、結果的にその根幹にあるのは、Wizardryであることは間違いありません。
なぜ、Wizardryが今の世の中でも根幹にあるのかといえば、そこには恐怖があるからです。

人間にとって恐怖とは何かといえば、それは理解することができないものと考えることができるでしょう。
それがモンスターであったり、罠であったりすることもあります。
ですが、これでは今のRPGと何ら変わりがないことでしょう。
Wizardryには、闇という人間が恐れる部分があることを忘れてはいけません。
一歩先には何があるかわからない闇は、太古の時代から人間の恐怖の対象でした。
羅生門にも出てくる鬼は、見えない、わからない、知らないからこそ恐怖なのです。
Wizardryにも同じことがいえることに気が付くと、恐怖ということの意味がわかるようになるでしょう。
今でこそ考えれば、データの少ないゲームかもしれません。
ところが、やってみればわかる通り、そこには素晴らしき世界が待っています。
自分で考え、その先を想像することで楽しむことができる世界は、Wizardryの最大の特徴といっていいでしょう。

今の子供たちには、きっとWizardryはグラフィックもしょぼく、ストーリーもないのではないかと感じるはずです。
それでも、ゲームは容量だけではありません。
本当に面白いものは、時代など関係なく面白いと感じるはずでしょう。
もしも、感じることができないのであれば、それは今の時代に進化したのではなく、感覚が退化したのかもしれません。
何でも与えられることが楽しいわけではないからです。

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