言わずと知れた大作で、ゲームというものを変えた存在であることは間違いないでしょう。
このゲームにはまった人は数知れず、寝ないでやった人も多かったものです。
うちにもPC98版からスタートし、FC版やPCE版が存在し、危うくAppleIIまで購入するところだったいわくつきのゲームでもありました。
内容を考えれば、現在でいうところのスラッシュ&ハックの元祖であり、9階までの道のりと、10階を別のゲームとして分けることができます。
9階までは成長や冒険を楽しんでいるものの、10階になるとそんなことは鳴りを潜め、ひたすらにアイテムを探し集めていくことになるでしょう。
それがあまりにも新鮮で、子供だけではなく大人たちも夢中になったのです。
緊張感ということでも、Wizardry1はかなりのものでした。
死ねばそこで終わる可能性がありますし、テレポートすれば石の中にいるかもしれません。
座標も正確でなければ、どこに行くかわからず、戻れないこともあるのです。
おまけに、魔法はコマンド式ではなく、スペルを打つことで詠唱に入るため、正確にキーボードをたたく必要まであり、呪文もみな覚えたものです。
確かに短縮して入れられたり、のちに選択型になったりと便利に変わっていったことはありましたが、それでも魔法は万能でもなく、邪魔はされることはよくあり、効かないやつもいたりと、その時々で緊張しながらゲームしていたといっていいでしょう。
Wizardry1は、3Dダンジョン型の基礎ともなっていきましたが、それだけ特別な存在だったのですが、今考えれば親切な今のゲームから比べれば、つまらないと評価されるかもしれません。
なんでもサポートを受ける現代のゲームに比べれば、あまりに突き放した設計でリアリティが強すぎる面はありますが、今のぬるま湯のようなゲームとは違うロマンが、ワイヤーフレームと文字の世界にはあったといえるのです。
現在もシリーズはいろいろな会社が出していたりしますが、決して同じものでも流れが統一されたものでも、後継でもありません。
この1と同等に語れる存在は、1だけしかないからです。